日本行政学会より、公開研究集会の案内がありましたので下記の通りお知らせ致します。
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「子どもの最善の利益」を尊重する教育行政の在り方とは
―「教育委員会」制度をどう改めるのか―
【趣 旨】
私たち日本教育行政学会(1966年設立、現会員数約550名)は、「学問の自由と研究体制の民主化を尊重し・・・教育行政学の発達と普及に寄与することを目的」(会則第2条)としており、教育委員会制度を含む教育行政の在り方に強い関心を寄せてきました。
2013年12月13日、中央教育審議会は「今後の地方教育行政の在り方について(答申)」において、教育行政の最終的な決定権を合議制の教育委員会から首長に移す案をベースとし、決定権限を教育委員会に残す別案も提案しました。異例ともいえる両論併記は、戦後66年間にわたって日本の地方教育行政制度を担ってきた教育委員会制度について、関係者の間で評価や意見が対立しており、まとまっていないことを示しています。例えば、「教育委員会改革 首長の暴走食い止められるか」(読売新聞2013.12.15.社説)、「教委の改革 誰が首長を止めるのか」(朝日新聞2013.12.17.社説)などの危惧が出されています。
本来、この論議の発端は、「いじめ自殺」問題等を契機に、「子どもの最善の利益」を尊重するよう教育行政の在り方を検討するというものでした。「首長主導」「首長に権限を」という方針のみで、果たしていじめ・体罰・自殺などがなくなり、すべてが解決するのでしょうか。「子どもの最善の利益」(子どもの権利条約)を尊重した、安心して通える楽しい学校づくりを下支えする教育委員会の在り方を、私たちは今、みんなで考えていかなければなりません。
現在開会中の通常国会において法案が審議される予定と聞いています。そこで、私たちは下記のような公開研究集会を企画しました。「子どもの最善の利益」を尊重する教育行政の在り方とは何か、「教育委員会」制度をどう改めれば良いのか等について、市民の皆さんと一緒に考えたいと思います。
【日 時】 2014年3月16日(日)午後1~4時(開場12:30)
【場 所】 東京大学「本郷キャンパス」赤門総合研究棟 A200教室(赤門を入ってすぐ右手)
【参加費】 無 料
【概 要】
オープニング:企画の趣旨説明
基 調 報 告:「学校と教育委員会が双方向で学び合う――子どもを中心とした学校づくりと首長・国の役割」
坪井 由実(日本教育行政学会第17期会長/愛知県立大学教授)
主著:単著『アメリカ都市教育委員会制度の改革――分権化政策と教育自治』1996、共著『概説 教育行政学』2009年 など
論点提起① :「中央教育審議会における審議の経過と答申の論点」
村上 祐介(中央教育審議会臨時委員/東京大学大学院准教授)
主著:単著『教育行政の政治学――教育委員会制度の改革と実態に関する実証的研究』2011、共著『地方政治と教育行財政改革』2012 など
論点提起② :「危機に立つ教育委員会――教育委員会制度の意義と必要性」
高橋 寛人(日本教育行政学会第16期研究推進委員長/横浜市立大学教授)
主著:単著『戦後教育改革と指導主事制度』1995、単著『危機に立つ教育委員会――教育の本質と公安委員会との比較から教育委員会を考える』2013 など
(休 憩)
全 体 討 議
*本企画の最新情報については日本教育行政学会HP http://www.jeas.jp/ でご確認ください。
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